プラド最大渡河性能

[異常気象] プラドの渡河性能は高いの?[冠水]

異常気象が増えていませんか?

先日、関東地方を直撃した台風15号の被害や、そのほんの少し前に横浜で発生した記録的なゲリラ豪雨など最近は天災・災害と呼べるレベルの豪雨が増えてきています。
そういったニュースがある度に、ニュースでは冠水の映像が流れてきます。

車種によって異なる最大渡河性能

クルマはある程度の冠水や浸水に耐えられるように設計されています。豪雨などによって発生した水深のある冠水路を走行することができるのはそのためです。しかし、一般的に走行可能とされる水深は、乗用車であればドアの下端、つまりクルマの床面が浸からない程度となります。一部のオフロードタイプの4輪駆動車では渡河性能が重要視されるため、専用の装備により水深1m弱の悪条件で走行できる特殊なモデルも存在しています。

JAF – http://qa.jaf.or.jp/trouble/disaster/08.htm

JAFによると上記引用にもあるように、一般的な乗用車ではクルマの床面が浸からない程度までであればなんとか走行可能と言われています。冠水を走る場合、一般的な自動車では20cmくらいまでの深さであれば走行可能かもしれません。ただし、その際も速度は10km/h以下などのゆっくりとした速度でなければ、エンジンの上部まで水がまきあがりエアインテークなどから浸水してエンジンが停止してしまう可能性が高くなるようです。
また、冠水した場合路面の状況も分かりませんので、基本的には迂回することを考えるべきであると思います。

さて、JAFの言う「一部のオフロードタイプの4輪駆動車」で「水深1m弱の悪条件で走行できる」という中に入るかどうか分かりませんが、プラドのカタログにも「最大渡河性能」という言葉と一緒に700mmまでの深さであれば「渡河」できると書いてあります。

渡河水深の数値は、あくまでも目安であって、水流の勢いや、川底や路面の形状など状況によって危険性は変わりますので、数値が高い車だからと言ってその深さまでは100%安心ということではありません。が、その数値を知っておくことは、異常気象などが発生した際に、どのような行動をとるべきなのか判断するための一助にはなるかと思います。

ということで、今回はSUVをメインに渡河性能の情報を探してまとめてみたいと思います。

渡河性能の比較

ランドクルーザー プラド

まずは、自分の所有するプラドの情報から。
150系プラドはカタログに最大渡河性能700mmと書いてあり、カタログには画像でも説明されています。実は最大渡河性能がカタログに記載されているSUVというのは、僕が知らないだけかもしれませんが、意外と少ないんです。

プラド最大渡河性能
(画像はトヨタのホームページから)

この画像で見ると、タイヤの頭がでるくらいの深さ。ドアも少し水に入るくらいですね。
この後の情報を見てもらうと分かるかもしれませんが、実はこの700mmという数字は、この価格の車両としては非常に優れている方だと言えると思います。

ランドクルーザー

ランドクルーザー200系の最大渡河性能も、プラドと同様に700mmとなっています。
よく「兄貴分」などの表現が使われるので、少しだけ高めの数字になっているかと思ったのですが、この数字については同じです。

ちなみにLexus LX570も同様に700mmになっています。

(画像はトヨタのホームページから)

レンジローバー

(画像はランドローバーのホームページから)

レンジローバーの渡河性能は、なんと900mm! しかもドアミラーの下部にセンサーが付いていて、常に水面の位置を見て、最大深度に近くなるとドライバーに警告を出してくれるシステムも付いているようです。

車両価格も高いけど、ちゃんとオフロード性能の高さも有名な車種です。
こちらにオフロードの性能を紹介した、Youtubeのリンク張っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=UITHvIbdtxI

メルセデスベンツ G-Class

MOTAの新G-Class紹介のページによると、Gクラスの最大渡河水深は700mm
プラドやランクルと同じです。
https://autoc-one.jp/mercedes-benz/g-class/newmodel-5002205/
ただし、特別なモデルの4×4 Squaredは防弾ガラスだし、最大渡河水深は1000mm!! 凄い!!
ただ、値段も3000万円を超えているモンスターです。

SUZUKI ジムニーシエラ 2018年

(写真はSUZUKIのホームページから)

こちらについては、メーカーホームページに情報は見つかりませんでしたがオーナーズマニュアルには、「水深30cm以下のところを選び、河川に対して直角または川下方向に渡河する」という表記があるので、300mm程度かと思います。ジムニーは本格的なラダーフレームの4WDですが、やはり車体の大きさの差が、今回の渡河性能では不利に働いてしまうようです。

新型 Landrover Discovery

(写真はForzaStyleさんのホームページから)

つい先日発表された新型のDefenderも、他のLandroverのモデルと同じく本気のオフロード性能を追い求めたものになっており、900mmの渡河性能を持ってリリースされているようです。日本で販売されるモデルも同様になるんでしょうか?

三菱 パジェロ

2019年8月で国内モデルは生産終了になってしまったけれども、パジェロも渡河性能はプラドやランクルなどと同じく700mmの性能になっています。これを実現するために、エアインテークは110cmの高さにあったり、サイクロンタイプ プレエアクリーナーと呼ばれる、水やほこりを遠心分離で取り除く装置がついていたりしています。

JEEP WRANGLER

(写真はCAR WATCHのホームページから)

クラストップのアプローチアングル44度、ブレークオーバーアングル27.8度、デパーチャーアングル37度、地上高277mm(ルビコン)、渡河性能最大76.2cm。と言われてもピンとこないかもしれないが、今年のような強烈な台風や大雨下でも安心できそうなブッチギリのSUVである。

Car WatchのWRANGLER試乗記事(https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/1151090.html)

オフロード感を全面に出したJEEPのWRANGLERは、さすがにその見た目の通りに渡河性能も高く、762mmと記載があります。

その他の車種

その他にもクロカン寄りのクルマで渡河性能を公表している車種はありますが、国内で「SUV」カテゴリで販売されている車種でも渡河性能まで公開されているものは少なそうです。
過去のモデルなども含めて、WEB上で見つけた数字をリストしてみると –

  • VW トゥアレグ : 580mm
  • Audi Q5: 500mm
  • VOLVO XC60: 350mm

つまり「本格的な4WD」や「オフロード性能」をカタログが謳っているからと言って、必ずしも冠水に強いわけではなさそうです。

まとめ

やはりプラドのオフロード性能は高いほうであると言えると思います。

ですが、ここに書いた数字はどれも最大深度ですから、それ以外にも、水流が強く、その水流に向かっていく方向で車を進め、更に速度もより高い状態であった等厳しい条件だったとすると、バンパーが破損したりエンジンルーム内で水が巻きあがりエアインテークにかかってしまうなどによって、車両破損やエンジン停止になることもあり得ます。

また、水の中に沈んでしまっている縁石や側溝が見えない等の危険も出てきます。
最初にも書いた通り、クロカン寄りのSUVだとしても、冠水の際には迂回をする方が安全だろうと思います。

ここに数字が載っていない車種であれば、尚のこと冠水には入らずに安全に避難をできる方法を検討することが大切そうです。